起床時に激痛が出る腰痛からMRIで判明した圧迫骨折
症状
3週間前から起床時に激痛が出現し、日常生活全般に支障をきたしている患者である。仙腸関節付近に広範な痛みを訴え、特に起床後の歩行時に激しい痛みを感じている。当初、整形外科でレントゲン検査を受けたが異常所見は認められなかった。痛みにより動作が緩慢で、生活全般に影響が出ている状態であった。
-
来院者
女性
60 代
-
期間
2024年10月 ~ 2024年11月
-
頻度
週2~3回
-
通院回数
6回
施術と経過
臀部の筋肉および仙腸関節周辺のツボに対して鍼施術を行った。初回施術後、右側の痛みは軽減したものの、左側の痛みは残存した。その後も同様の方針で施術を継続したが、起床時の痛みが持続したため、仙腸関節の可動性を促す方針に変更した。4回目の施術後にMRI検査を実施したところ、「腰椎2番・3番の圧迫骨折」が判明し、CT検査でも確認された。しかし、鍼施術を継続することで症状は改善し、計5回の施術で痛みは大幅に軽減した。
使用したツボ
まとめ
本症例は、レントゲン検査では発見できなかった「腰椎圧迫骨折」が原因で発症した腰痛であった。MRIによって骨折が判明した後も、仙腸関節周辺への鍼施術と可動性の改善を目的とした施術によって症状は改善した。本症例から、画像診断で骨折が認められた場合でも、適切な鍼施術によって痛みの軽減が可能であることが示唆された。また、レントゲン検査で異常が認められない場合でも、症状が持続する際は他の画像診断の検討も重要であることが示された。