クラリネットを吹くと口のわきから息が漏れる
症状
10年近く前からアンブシュアが閉じられなくなり口のわきから息が漏れる症状がある。症状には波があり演奏不能なほどに漏れることもあれば演奏に支障ない程度のこともある(それでも多少は漏れている)。また以前は口唇が常に震えていて、今でもまれに起こる。来院に先立つ時期は、音が鳴らないことはないが長く吹き続けるのが困難な状態が続いていた。
-
来院者
男性
20 代
-
期間
2020年5月
-
頻度
1回通院
-
通院回数
1回
施術と経過
施術前にクラリネットを吹いてもらうと、アンブシュアを頭蓋骨に貼り付けておく筋肉の力加減がうまくいかず息が漏れているように見えた。そこで顔の筋肉のコリを確認し、それらをゆるめることでアンブシュアにどのような変化があらわれるか確認することとした。なぜならコリのある筋肉は既に過剰に周囲を引っ張った状態になっていて、適切なタイミングで必要な働きをすることができないからである。
左の下顎骨と舌骨の間、また顎関節に硬いコリがあったので手と臀部のツボでゆるめた。この時点で再度吹いてもらうと、アンブシュアが作りやすくなっていた。
さらに首の左側面が張っていたのを足のツボで取り、顎関節と関係の深い胸椎にコリが残っていたのを手のツボでゆるめた。すると、これまででもっとも「手応えを感じる」アンブシュアの感覚になった。客観的にも息漏れは少しあるものの演奏不能にはならずに長いフレーズを吹くことができていた。
あとは奏法面で工夫できることをご本人が探求していくこととしてひとまず施術を終えた。
使用したツボ
まとめ
アンブシュアは単に口唇の筋肉だけではなく、顔面の他の部分や喉、顎関節などと複雑にバランスを取りながら機能している。そのため全体の関係性を読み解きながら適切なツボを選ぶ必要がある。