加齢による腰痛と力めない便秘
症状
当院にいらっしゃる前から腰痛があった。
病院では年齢のためもう治らないけれど湿布を出して経過観察となっていた。
特に気になるのは掃除をしたり、台所に立つ時など上体を前屈みにさせた時。
最近は腰痛がひどくなり歩くのがきつく、便意はあるものの力を入れると腰が痛んで便秘も慢性化していた。
このまま活動的になれずに苦しい思いをしているのを見てるのがつらいとのことでご家族が連れてこられた。
腰痛、便秘ともに器質的なレッドフラッグはない。
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来院者
女性
80 代
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期間
2019年5月 ~ 2019年5月
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頻度
週1回程度
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通院回数
2回
施術と経過
耳が大変遠く圧痛や動きの確認が若干しにくくはあったがツボを押した時の感触や患者さんとのコミニュケーションを基に施術を組み立てていった。
初回
痛みがあるのは広範囲に違和感含め腰部〜臀部にかけて。
動かすのは上体を起こすのは問題がない。
前屈と両側の回旋が気になる。
動きとツボを押した時の圧痛とその時のご本人との感想これらをベースに考えていった。
右骨盤上部のツボの反応を確認し、右大腿部後面のツボに鍼をした。
その右骨盤上部のツボの反応は消失。
再度前屈をして頂いた。
まだ気になるので次に脊柱の反応を確認し、右ふくらはぎのツボに鍼をした。
前屈しても痛くなくなった。
次に両側の回旋。
腰よりもお尻が張る気がする。
左右それぞれお尻を緩める目的で腰部のツボに鍼をした。
回旋時の違和感はなくなり初回は終了。
歩く歩幅が広くなり、ご家族も喜ばれていた。
二回目
10日後にいらっしゃった。
その間の生活をお聞きした。
便秘が解消された。
以前は7日に1度くらいの排便だったが現在は2日に1度出るようになった。
腰痛はまだあるもののかなり少なくなり、3輪の自転車でスーパーにお買い物に行けるまでになった。
じっとしているくらいでは腰部の痛みや違和感はない。
実際に動きを確認していくと前にかがむ際に若干違和感がある。
右骨盤上部の反応を確認。
圧痛があるので大腿部後面のツボに鍼をしたところ消失。
その後はご家族と相談し、定期的なメンテナンスで経過を見ていくこととなった。
使用したツボ
まとめ
高齢の方の腰痛および便秘の症例
他の医療機関を経てレッドフラッグがないことを確認し、鍼灸を行った。
この確認は非常に大切。
器質的には問題はないものの機能的な問題があるのでまさに鍼灸の適応と言える。
年齢的な要素は一要素であり、人は何歳になっても変われることを象徴するような症例であった。