声が割れて聞こえる
症状
3週間前、子供会の集まりに参加した際に左耳につまり感が出現。その夜、つまり感はどんどん強くなった。翌朝、つまり感は消失。しかし、仕事中、左耳で電話の対応をすると、声が割れて聞こえるようになった。仕事を早退し、耳鼻科で検査を行うと、左耳の聴力が低下していた。薬を処方され、1週間服用するも聴力の改善がみられない。
その後、他の病院を受診すると入院を勧められた。ステロイドの点滴、星状神経節ブロック、高気圧酸素療法を行う。2週間入院し治療を行うが、改善がみられず。入院中、他に治療法はないか探すと当院のホームページを見て、退院したその日に来院された。
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来院者
女性
30 代
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期間
2017年7月 ~ 2018年2月
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頻度
週2~3回
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通院回数
21回以上
施術と経過
頚や肩の筋肉の過緊張は耳周辺に悪影響を与えやすい。脚のツボに鍼をすることでその緊張を解いた。さらに背中のツボに鍼をした。施術後、耳鳴りは大きく感じ、眠気に襲われたとのこと。
3診目、同様の治療方針で頚や肩の緊張を緩める。左耳で電話をしてみると音が聞き取れるようになっていた。その後の聴力検査でも改善していた。
10診目、低音域の聴力がさらに改善していた。しかし、耳鳴りの音が強く気になる。
25診目、聴力は日常的に問題ないほどに改善した。「耳鳴りがなければ日常生活で不便がなく過ごせそう」とのこと。
38診目、気になっていた耳鳴りが、大幅に改善。耳鳴りが気にならなくなり、40回の施術で終了した。
使用したツボ
まとめ
病院で改善がみられず、あきらめかけていた聴力が改善した症例。半年間治療を続けた結果、日常生活で不自由なく過ごせるよう改善した。完全な回復とは言えないが、鍼治療の成果を十分に実感できる結果となった。このように、時間が経ってからの回復もあるため、医学的な常識とは何かを考えさせられる症例であった。