NEW数年続く左こめかみの頭痛
症状
30代女性が数年前から続く左こめかみのズキズキとした頭痛を主訴に来院した。最近は特に仕事中の集中力が奪われるほどの痛みが続いており、ほぼ常に痛みがある状態であった。低気圧や疲労時には症状が増悪する傾向があった。仕事中に痛みが出現すると集中力が途切れるなど、日常生活に支障をきたしていた。また、よく目が覚める睡眠障害や便秘傾向も認められた。初診時の触診では、本人の自覚はないものの首肩の緊張が著しく強い状態であった。
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来院者
女性
30 代
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期間
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頻度
週1回程度
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通院回数
7回
施術と経過
初回施術では、手のツボや肩甲骨の内側のツボを用いて首の可動域を改善する施術を行った。施術後、頭痛の頻度が減少したため、継続的な治療を行うこととした。2回目以降は首の緊張を緩和することと、呼吸が深くなるようアプローチすることを方針とした。施術を重ねるごとに頭痛はほぼ消失し、4回目の施術後には頭痛がほとんど出なくなった。その後、それまで気づかなかった首の痛みを自覚するようになったが、これも徐々に軽減してきている。施術期間中、体が力みやすく首に緊張が入りやすい傾向や食いしばりが認められたが、緊張を緩和しリラックスしやすくなるよう施術を継続することで、これらの症状も改善傾向にある。
使用したツボ
まとめ
数年来の慢性頭痛に悩まされていた症例者に対し、首肩の緊張緩和を中心とした施術を行った結果、4回の施術で頭痛がほぼ消失した。本症例では、症例者自身が自覚していなかった首肩の強い緊張が頭痛の主要因であったと考えられる。手のツボや肩甲骨内側のツボを用いて首の可動域を改善し、呼吸を深める施術を継続したことで、頭痛だけでなく睡眠の質や全身のリラックス状態も改善された。頭痛消失後に顕在化した首の痛みについても、同様のアプローチで軽減しており、体の力みや食いしばりといった根本的な問題にも改善が見られている。慢性的な頭痛に対して、局所だけでなく全身の緊張状態を評価し、段階的にアプローチすることの有効性が示された症例である。









