NEW右膝・股関節の痛みから急性腰痛を発症
症状

1週間前から右膝前面に立ち上がり動作時の一過性の痛みが出現。その後、右股関節外側にも動作開始時の痛みが加わった。仕事の繁忙期と重なり我慢していたところ、作業中の立ち上がり動作で右腰部に激痛が発生し、動作が困難となった。腰を曲げることができず、着替えなどの日常動作にも支障をきたす状態となった。膝と股関節の痛みは動作開始時のみで、動き出してしまえば痛みは軽減する特徴があった。
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来院者
女性
50 代
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期間
2025年9月 ~ 2025年9月
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頻度
週2~3回
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通院回数
4回
施術と経過
初診時、腰部の可動域制限が著明で、着替えも困難な状態であった。まず手と足のツボに鍼をして腰痛を半減させた後、側臥位で臀部のツボに鍼をした。翌日の2回目の施術時には、痛みの中心が腰部から股関節寄りに移動していた。臀部と足のツボに鍼をしたところ、さらなる改善が得られた。3日後の3回目では、着衣動作が楽になり、痛みは朝の起き上がりと動作開始時のみとなった。腰をかばう代償動作により手首の痛みが出現したため、肩甲骨周辺のツボを加えて施術を行った。5回目の施術時には症状は股関節の違和感のみまで改善し、完治に向けて継続して施術を行うこととなった。
使用したツボ
症状スコア
機能スコア
まとめ
本症例は、膝の痛みを契機に股関節、腰部へと症状が波及し、最終的に急性腰痛を発症した症例である。痛みの部位の移動に応じて施術部位を適宜変更することで、効果的な改善が得られた。また、代償動作による二次的な症状の出現にも早期に対応することができた。5回の施術で主訴であった腰痛は消失し、残存する股関節の違和感に対して継続的なアプローチを行っている。今後は、過度の代償動作を防ぎながら、段階的な動作改善を図ることが重要である。また、仕事の繁忙期における早期受診の重要性についても指導が必要と考えられる。