NEW全力で走れない恥骨部痛、鍼で競技復帰した1症例
症状

8歳のサッカー少年が、試合中にボールを確保しようとした際に左恥骨部に痛みを発症した。
発症から半年が経過し、走行時やシュート動作時に強い痛みがあり、サッカーの実施が困難な状態であった。
医療機関では左股関節痛の診断を受け、サッカーを諦めることも視野にあるかも言われていた。
他院での股関節に対する治療では、股関節の痛みは改善したものの、本来の症状は改善しなかった。
初診時の所見では、左股関節内旋時に痛みがあり、その際の痛みの部位から、問題は股関節ではなく恥骨にあると判断した。
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来院者
8 歳
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期間
2025年7月 ~ 2025年8月
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頻度
月3回程度
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通院回数
2回
施術と経過
左足のツボ(淋泉、豊隆、曲泉)に施術を行った。
初回施術後から劇的な改善が見られ、半年間できなかったサッカーがみちがえるようにできるようになった。
2回目も同様の施術方針で対応し、症状の再燃や新たな症状の出現もなく、2回の施術で完了した。
使用したツボ
まとめ
本症例では、股関節痛として治療を受けていたが改善が見られなかった症状に対し、恥骨痛として捉え直し施術を行ったことで劇的な改善が得られた。
スポーツを諦めるという選択を迫られていた少年が、適切な施術により競技復帰できた点は特筆すべきである。
小児のスポーツ障害において、正確な症状の把握と適切な施術部位の選択が重要であることが示唆された。
また、夢を持つ学生アスリートに対して、競技継続の可能性を提供できる鍼灸治療の意義が確認された症例であった。
担当スタッフ
杉山英照