NEW慢性胃痛・吐き気・食欲不振に対する鍼灸の施術効果
症状

数年前から胃の不調があり、特に直近3~4カ月で症状が悪化した。主な症状は胃の痛み、吐き気、腹痛、食欲不振であり、これに伴う体重減少も見られた。常に胃の違和感があり、3回ほど腹痛で救急搬送されたが、病院での検査では特に異常は認められなかった。機能性ディスペプシアの疑いと考えられた。食事が十分に摂れないことによる体力低下も顕著で、外出や人との交流も避けるようになっていた。
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来院者
女性
70 代
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期間
2025年7月 ~ 2025年7月
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頻度
週2~3回
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通院回数
5回
施術と経過
初診時の触診では、みぞおちから上腹部にかけて著明な緊張が認められた。施術では、上腹部の緊張緩和を目的として、手と足のツボに鍼をした。初回施術後から腹部の違和感が軽減し、腹痛も改善傾向を示した。3回目の施術で胃の違和感はほとんどなくなり、食欲も回復。5診目には胃の不快感が消失し、食事摂取量も改善したことで便通も良好となった。
使用したツボ
まとめ
胃の機能障害による不調に対して、手足のツボへの鍼施術が有効であった。特に上腹部の緊張緩和に焦点を当てた施術により、症状の改善が得られた。5回の施術で大幅な改善が見られたものの、症状の再発予防の観点から1~2週間に1度の間隔で継続的なケアを行うこととした。本症例では、西洋医学的検査では異常が認められない機能性の胃腸症状に対して、鍼灸施術による介入が有効であることが示唆された。