症状

2週間前から突発的に左耳の内部に痛みを感じるようになった。耳鼻科を受診したが原因不明で、処方された薬剤による改善も見られなかった。耳の痛みは日常生活に大きな支障を来すほどではないものの、常に気になる状態が続いていた。また、聴力の低下を自覚し、以前からの首肩のこりも併存していた。

施術と経過

初診時の所見では、頸部の後屈および側屈時に可動域制限が確認され、耳後部に圧痛点が認められた。まず頸部周辺の緊張緩和を目的として首のツボに施術を行い、その後耳周辺へアプローチした。2回目以降は、首のツボに加えてふくらはぎのツボにも施術を行った。施術を重ねるごとに頸部の可動域は改善し、耳後部の圧痛も徐々に軽減。計8回の施術により、耳の痛みは大幅に改善した。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

• 養老 L
• 合谷 LR
• 飛揚 R
• 玉陽 R

ツボ名称下に表示されるスコアメーターについて ツボの重要度を表したものです

まとめ

耳の痛みに対して、頸部の機能改善と耳周辺への直接的なアプローチを組み合わせた施術が有効であった。特に頸部の可動域制限の改善と共に症状が軽減していったことから、耳の痛みと頸部の状態には密接な関連があることが示唆された。また、下肢へのアプローチを加えることで、より効果的な症状の改善が得られた。本症例では、局所的な症状に対しても全身的な視点からの施術アプローチが重要であることが確認された。

症例を投稿した鍼灸院：鍼灸院ひなた　清澄白河