妊娠32週で診断された逆子の1例
症状
妊娠32週で逆子の疑いの診断を受けた症例である。主訴は逆子であり、愁訴として動作時、特に寝返りや立ち上がり時の腰痛を伴っていた。腹部の所見として右上部に硬さが触知され、また足部の冷えが著明に認められた。日常生活において、体位変換時の痛みにより、睡眠の質が低下している状態であった。
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来院者
女性
36 歳
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期間
2024年12月 ~ 2024年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
3回
施術と経過
初回施術では、手のツボ(合谷)と足のツボ(三陰交)に施術を行った。施術後、腹部の移動感が得られ、右上腹部の硬さが軽減した。2回目の施術では同様のツボに施術を実施し、右上腹部の硬さは消失した。3回目も同様の施術を継続し、その後の産婦人科検診にて胎位が正常に戻っていることが確認された。ただし、腰痛に関しては大きな変化は見られなかった。
使用したツボ
まとめ
逆子の改善には、手足のツボへの施術が有効であった。特に合谷と三陰交への施術により、腹部の緊張が緩和され、胎位の変化を促すことができた。腹部の硬さの改善と胎位の変化には相関関係が認められ、2回目の施術で明確な変化が得られた。一方で、愁訴であった腰痛に関しては改善が見られなかったことから、逆子が改善した後は、腰痛に焦点を当てた新たな施術方針の検討が必要であると考えられる。妊娠中の逆子に対する早期の施術介入は、胎位の正常化に寄与する可能性が示唆された。
担当スタッフ
川瀬邦裕