NEW座位姿勢と電車での移動後に生じた急性腰痛
症状
2日前に取引先での長時間の座位姿勢と電車での揺れがきっかけとなり、腰部全体に痛みが出現した。特に右側にやや強い痛みがあり、朝起床時に症状が顕著であった。症状は日に日に増悪傾向にあり、仕事が困難な状態となっていた。また、股関節部にも違和感を伴っていた。医療機関での受診歴はなく、自然経過での改善が見られなかったため当院を受診している。
-
来院者
男性
50 代
-
期間
2022年12月 ~ 2022年12月
-
頻度
1回通院
-
通院回数
1回
施術と経過
初診時の所見として、前屈時に強い腰痛が確認され、仙腸関節の可動性低下が認められた。施術では、遠隔部である肩部と肘部のツボに鍼を行い、仙腸関節への影響を図った。特に肘部のツボへの施術後、腰部の痛みは著明に改善した。初回施術で症状が消失したため、追加の施術は不要であった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、長時間の座位姿勢と移動時の振動という複合的な要因により発症した急性腰痛である。症状は増悪傾向にあったものの、遠隔部のツボを用いた施術アプローチが著効を示した。特に肘部のツボへの施術が即時的な効果をもたらし、一回の施術で症状が消失するという良好な結果が得られた。このことから、急性腰痛に対する遠隔部のツボを活用した施術の有効性が示唆された。今後同様の症状が発生した際は、早期の施術介入が望ましいと考えられる。また、予防的観点から、長時間の座位姿勢を避けることや、適切な休息を取ることの重要性について指導を行った。