股関節痛は鍼灸師の腕の見せ所
股関節は体重を支える重要な箇所です。立ったり、歩いたり、寝た状態で姿勢を変えるときなど、日常の多くの場面で幅広く活躍します。そのため、股関節に痛みがあると、日々の生活が大変不便になってしまいます。
鍼灸師にとって、股関節の痛みは腕の見せ所です。
同じ鍼灸師でも、股関節痛の原因を見極められるかどうかで、出せる結果が大きく違ってきます。
股関節痛への施術で差が出るポイント
股関節だけを見ていては、良い結果は得られません。
身体全体の中から原因を正確に突き止める事が出来れば、鍼灸師は、はり1〜2本でも大きな変化を生み出せます。
股関節痛の分類と病院での治療
一般的に、股関節痛は次のように分類されます。
- 変形性股関節症
- 大腿骨骨頭壊死症
- 関節リウマチによる股関節症
- 股関節炎
- 大腿骨頸部転子部骨折
病院の検査では、はっきり原因が特定出来ないときも少なくありません。そういった場合は、変形性股関節症や股関節炎と診断されることが多いです。
病院では一般的に次のような治療が提案されます。
- 保存療法
- 薬物療法(非ステロイド系抗炎症剤、ステロイド剤、ビタミンB剤など)
- 運動療法
- 手術療法
他に、電気治療やマッサージなどが提供される場合があります。
最も多いのは、薬物療法と運動療法(リハビリ)の組み合わせです。
早期回復が見られる例もありますが、長期的に継続しても功を奏さないこともあり、そういった場合は手術療法が選択枝になってきます。
手術には、一度してしまったら元に戻せないというリスクがあり、不安を感じて二の足を踏む方も少なくありません。
股関節痛、鍼灸師の目線から
病院では、股関節痛に対して、股関節しか見ないのが一般的です。
一方、私達鍼灸師は、原因となるポイントを身体全体から探します。これを正確に捉えることが出来れば、思いのほか早く回復する例がかなりあります。
私達鍼灸師が股関節痛で着目するポイントは、
- 足首〜指にかけてのしなやかさ
- ふくらはぎの緊張
- 膝〜股関節のねじれ
- 背骨のバランス
です。
股関節は身体の中心にあるので、影響を受けるポイントが身体の各部にあります。見分けるのは、痛みが出る動きと箇所です。
痛みの箇所が、股関節の前面なのか、横なのか、あるいは臀部に近いのかで原因が変わってきます。
また、痛みが出る動きが、股関節を曲げるときなのか、伸ばすときなのか、外に開くときなのか、内に閉じるときなのかでも原因が変わります。
手術の前に
原因を正確に捉えられていると、はりを一本した瞬間に、股関節の動きが変わります。
手術が必要と言われた股関節痛であっても、はりの施術で早期改善した例は、後を絶ちません。
はりの施術の利点は、身体への負担が少ないことです。
ハリをするというと、痛そうなイメージですが、蚊のはり程の細さなので、痛みはそれほど強くはありませんし、すぐに塞がるので、感染症の心配もほとんどありません。
また、手術のように、一度してしまったら元に戻せないような事もありません。
効果の高さと、利点が多いことから、医師が注目し、現在共同で研究しています。研究で看過できないほどの効果が認められたため、病院内での提供も試験的に始まりました。
もし、リハビリや薬物療法で効果が思わしくない場合、手術を選択する前に、はり施術を考慮してみてはいかがでしょうか。
私達も、医師が手術の前に、はり施術を提案できる体制を目指して、プロジェクトを進行中です。