歌唱中に出現する発声障害
症状
数日前から風邪気味かなという喉の違和感を感じていたが、昨晩から発声がしづらい状況に。
高音から低音、また反対に低音から高音への切り替わるタイミングで発声が出来なくなった。
翌日に、ヴォーカルスクールの発表会があり、このままでは発表会で歌えなくなってしまうのではと心配になった。
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来院者
女性
40 代
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期間
2018年12月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
発声に関わるこの症状の性質から確認を行うと、特有の筋緊張が背中にみつかった。
この筋緊張を緩めるため頭にあるツボへ鍼を行うと、背中がスッーと伸び首を動かすことが楽になった。
しかしまだ、喉の奥にイガイガしたものが詰まったような違和感が残っていた。
調べると首の左側に筋緊張がみつかり、それを緩めるため腰と足の甲へ鍼を行ったところ、さらに首の動きがスムーズになりイガイガした違和感が和らいだ。
詰まった違和感が喉仏まで上がってきたことから、喉仏の周辺を触診するとうなじに強張りが残っていた。
この強張りを緩めるため頭に鍼を行うと、喉の詰まりが消失し高音・低音の切り替わるタイミングで発声が行えるようになった。
使用したツボ
まとめ
発声に関係する喉の違和感は、喉以外に出現している筋緊張が影響していることが多く、今回も正にそうだった。
プロの歌手の中でも裸足で歌う人や、高音を出す際に腕を頭上へ挙げるといった、全身の微妙な感覚・動きで発声の調整を行っているという話は有名。
仕事で手足を酷使し、その疲れが背中にたまっていたことに気づけたことが早期の改善に繋がった症例だった。