NEW指の曲げ伸ばしで右示指橈側に痛みが出る
症状
40代女性が右示指の痛みを主訴に来院した。症状は約1ヶ月前から出現しており、仕事で常にパソコンを使用していることが影響していると考えられた。痛みは右示指の橈側に限局しており、指の曲げ伸ばし動作時に出現するが、安静時には痛みを感じなかった。日常生活では、仕事中のパソコン操作がやりづらく、物を持つ際に示指に力を入れると痛みが生じるため、業務に支障をきたしていた。医療機関での診断や治療は受けていなかった。触診では右示指橈側に圧痛が認められ、前腕全体に強い緊張が確認された。前腕の緊張部位を押圧しながら示指を動かすと痛みが消失することから、前腕の筋緊張が症状の原因と考えられた。また、指を強く握り込むと前腕に張り感が生じることも確認された。
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来院者
女性
40 代
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期間
2025年7月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の触診で右示指橈側の圧痛と前腕の強い緊張を確認した。前腕の緊張部位を押圧しながら示指を動かすと痛みが消失したことから、前腕の筋緊張が症状の主な原因と判断した。施術では前腕の緊張を緩和する目的で、背中のツボ数箇所に鍼をした。施術直後、示指の曲げ伸ばし動作時の痛みと圧痛が消失した。その後、症状の再発についての報告はなかった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、パソコン作業による過度な前腕の筋緊張が右示指橈側の痛みを引き起こしていたと考えられる。触診により前腕の緊張と示指の痛みとの関連性を確認し、背中のツボへの施術で前腕の緊張を緩和することで、1回の施術で症状が改善した。前腕の筋緊張を押圧すると痛みが消失するという所見が、施術方針の決定に有効であった。パソコン作業による反復動作が原因の指の痛みに対して、局所ではなく背部への施術が効果的であることが示された症例である。













