NEW「潰瘍性大腸炎」の既往がある患者の下痢症状の症例
医師による診断:潰瘍性大腸炎
症状
50代男性が1日に10回ほどの便意と下痢を主訴に来院した。症状は10日前から始まり、ブリストルスケール4~6の便が出現し、特に6の水様便の割合が多かった。便意に伴う腹痛と切迫便意も認められた。9カ月前に潰瘍性大腸炎の疑いと診断され、当時は血便と下痢がみられたが投薬治療により改善していた。今回の下痢には血便は認められなかった。症状は10日間変動なく持続し、仕事が通常通りできず、趣味の山登りも困難な状態であった。初診時の触診では腹部に圧痛と硬結が確認され、施術後は痛みの緩和が得られた。
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来院者
男性
50 代
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期間
2025年8月 ~ 2025年8月
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頻度
週1回程度
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通院回数
3回
施術と経過
初回施術では手足のツボに鍼を行った。施術翌日から排便回数は2~3回に減少し、3日目には1日1回となった。起床直後の腹痛も消失した。しかし稀に下痢がみられたため、同様の方針で継続して施術を行った。2回目の施術後も多少の下痢が残ったものの、新たな症状の出現はなかった。施術を重ねるごとに症状は改善し、ブリストルスケール4で安定し、排便回数も1日1回となった。計3回の施術で症状は大幅に改善した。
データ

使用したツボ
まとめ
潰瘍性大腸炎の既往がある症例者に対し、手足のツボへの鍼施術を行った結果、1日10回の下痢が3回の施術で1日1回まで改善した。初回施術後から速やかに効果が現れ、排便回数の減少と腹痛の緩和が得られた。継続施術により便の性状もブリストルスケール4で安定し、日常生活への支障も解消された。本症例では、腹部の圧痛と硬結に対する手足のツボへのアプローチが有効であり、消化器症状の改善に寄与したと考えられる。
担当スタッフ
藤枝 聖也












