NEWマウス操作や机に腕を載せると右腕・肩甲骨に痛みが出る症状
症状
60代男性が右腕と右肩甲骨の痛み、右人差し指のしびれを主訴に来院した。1年前から症状に気づいていたが、最近になって症状が強くなったという。痛みは動作時に出現し、特に机の上に腕を載せる動作やマウス操作といったデスクワーク時に顕著であった。整形外科を受診しレントゲン検査を受けたところ、頚椎の骨変性による神経圧迫の疑いと診断されていた。日常生活では、デスクワークにおける作業効率の低下が問題となっていた。
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来院者
男性
60 代
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期間
2025年1月 ~ 2025年2月
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頻度
週1回程度
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通院回数
3回
施術と経過
初診時の触診では、右背部周辺の筋緊張と肩甲骨の可動域制限が認められた。手や背中のツボに鍼をし、特に背中周辺の筋緊張を緩和させることを目的に、肋骨や肩甲骨周辺へのアプローチを行った。初回施術の翌日には痛みの部位に変化が見られ、その翌日にはデスクワークが楽になったとの報告を受けた。しかし、ヨガのような運動を行った後に痛みが再発した。2回目以降も初回と同様の方針で施術を継続した。3回目の施術時点で運動をしても問題ないレベルまで改善し、4回目の問診時点で腕と肩甲骨周辺の痛みが大幅に軽減したとの報告を受けた。
使用したツボ
まとめ
本症例は、整形外科で頚椎の骨変性による神経圧迫の疑いと診断されていたが、実際には背部や肩甲骨周辺の筋緊張が主な原因であったと考えられる。画像診断で構造的な異常が指摘されても、必ずしもそれが症状の直接的な原因とは限らず、筋骨格系の機能的な問題が症状を引き起こしている場合がある。本症例では、背中や肩甲骨周辺の筋緊張を緩和させる施術により、3回の治療で運動可能なレベルまで改善が得られた。デスクワーク時の姿勢や作業環境の改善も、症状の再発予防には重要である。














