NEW長期間におよぶ常習性下痢
症状

9か月前から突然発症した慢性的な下痢症状に悩まされていた。食後30分程度で必ず水様性の下痢となり、夜間でも便意を催すことがあった。冷たい飲み物を摂取すると症状が悪化し、便意に伴う腹痛と食欲不振も出現していた。症状発症後、体重が10kg減少。CTや胃・大腸内視鏡検査では異常所見は認められなかった。
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来院者
男性
67 歳
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期間
2025年7月 ~ 2025年8月
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頻度
週1回程度
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通院回数
6回
施術と経過
初診時の腹診では腹部全体に緊張が認められた。腸の血行改善を目的として、下腿と臀部のツボに鍼をした。また、肩甲骨内側のツボにも施術を行った。初回施術後、一時的に便の固形化が見られたものの、その後は再び下痢症状が続いた。2回目以降も同様の施術を継続し、食事指導も併せて実施した。施術を重ねるごとに便の性状は徐々に改善し、6回の施術で大幅な改善が得られた。施術終了後、久しぶりにビールを飲んだ際に一時的な下痢症状が出現したが、その後は良好な状態を維持している。
使用したツボ
まとめ
慢性的な下痢症状に対して、腸の血行改善を目的とした下腿と臀部のツボへの施術が有効であった。食事指導と組み合わせることで、9か月続いていた症状が6回の施術で改善に至った。器質的な異常が認められない慢性下痢症に対して、鍼灸施術が有効な選択肢となる可能性が示唆された。ただし、アルコールなどの刺激物の摂取には注意が必要である。
担当スタッフ
院長 丹羽裕樹