NEW左踵痛から右足首痛へ移行した立ち仕事後の症状
症状

食品レジ担当の立ち仕事後、左踵部に強い痛みが出現し、帰宅時の歩行が困難なほどの症状があった。湿布による対処で経過観察していたところ、2日前には左踵の痛みは軽減したものの、今度は右足首の靴紐を結ぶ付近にジクジクと刺すような痛みが出現した。特に歩行時の荷重がかかった際に痛みが強く、跛行を呈するほどであった。これにより日常生活動作全般に支障をきたしていた。医療機関での受診歴はなく、むくみや熱感などの随伴症状も認められなかった。
-
来院者
女性
60 代
-
期間
2025年8月 ~ 2025年8月
-
頻度
1回通院
-
通院回数
1回
施術と経過
初診時、右足関節の背屈制限が顕著で、荷重時の疼痛も強かった。まず足首の背屈可動域の改善を目的に、該当部位への鍼施術を行った。背屈制限が消失すると、ふくらはぎに痛みの訴えがあった。症状の経過から左腰部のツボに着目して施術を行ったところ、痛みが消失し、歩行もスムーズになったため施術を終了した。施術後は歩行時の痛みが消失し、症例者からも満足の声が聞かれた。
使用したツボ
まとめ
立ち仕事による左踵部の痛みが、代償性に右足首の痛みへと移行した症例である。右足首の症状に対して局所への施術を行ったが、症状の発生機序を考慮し、対側である左腰部への施術を加えることで著明な改善が得られた。この症例では、症状の経時的変化から、代償性の動きによって生じた痛みという病態を把握し、それに基づいた施術選択が効果的であった。初回の施術で症状が改善し、その後の再発報告もないことから、適切な施術方針であったと考えられる。
担当スタッフ
洲崎 和広