NEW右母指の付け根が動かすと痛む症状
症状

右母指の付け根に痛みを訴えて来院した。発症は約2週間前で、仕事中に物を掴む、はさむ、抱えるなどの手の使用時に痛みを自覚するようになった。痛みは尺屈・撓屈いずれの動作でも感じられ、手を使わなければ痛みは出ないが、日常的な手の動作に支障をきたしていた。仕事で手を酷使するため、症状は強いストレスとなっていた。初診時には整形外科には未受診だったが、後日痛みの悪化により通院し、母指の腱鞘炎の疑いと診断され、「注射」によって安静時の痛みは軽減された。加えて肩こりを慢性的に感じていた。
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来院者
女性
40 代
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期間
2025年5月 ~ 2025年6月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
初診時は、母指の動作時の痛みを強く訴えており、特に手首を内外に倒す動作や物を握る動作で症状が顕著であった。初回は背中と足のツボに鍼をして全身の緊張緩和を目的とした。施術後には痛みがやや軽減したが、完全には消失しなかった。2回目以降は同様の施術に加えて、前腕部の緊張が著しかったため、その緩和を目的とした施術も取り入れた。施術の回数を重ねるごとに、痛みの出現する動作が徐々に減り、最終的に4回の施術で大幅な改善が見られた。なお、施術の合間に仕事で手を酷使したことで一時的な悪化があったが、整形外科との併用により、安定した回復が得られた。
使用したツボ
まとめ
右母指の付け根の痛みに対して、背中や足のツボに加え、前腕部の緊張を緩める施術を行うことで、動作時の痛みを軽減できた。鍼による全身の調整と局所の緊張緩和の組み合わせが有効であった。仕事で手の使用を避けられない状況にあったが、施術の継続と整形外科での注射治療の併用により、症状の早期改善につながった。今後は再発予防のために肩や前腕の緊張緩和を中心としたメンテナンスを継続することが望まれる。
担当スタッフ
藤枝 聖也