NEW膝蓋下脂肪体炎の疑いによる膝蓋骨周辺の痛み
症状

1か月前、サッカーのプレー中に膝痛を感じた。痛みは膝蓋骨の内側と外側の両側にあり、ズキズキと奥の方に響くような性質である。動作時に痛みが強く、特に荷重時や踏み込む動き、支柱となるような動きで痛みが顕著に現れる。日常生活では階段昇降が困難であり、サッカーのプレー中にはステップの不安定感やダッシュ時の痛み、患側でのキック時に大腿部の力が抜ける感覚がある。整形外科で「膝蓋下脂肪体炎」の疑いと診断され、MRIで他の組織の損傷がないことを確認。膝蓋下脂肪体に痛み止めの注射を行ったが変化がなく、患部以外に原因がある可能性を考え当院に来院した。膝痛に関連する脚のしびれはないが、大腿部や足首の硬さが気になるとの訴えがあった。
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来院者
男性
40 代
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期間
2025年5月 ~ 2025年5月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の触診では、荷重時の動きで膝蓋骨の内側・外側に痛みが出ており、膝蓋骨を挟むような痛みが確認された。施術では、膝や足首の動きに関わる臀部のツボに鍼をした。また、膝の裏や腰部のツボにも鍼を行い、動きの確認をしたところ膝関節内側に痛みが残った。さらに過伸展を行った際に外側に痛みが残ったため、関連する背中のツボに鍼をすると痛みが解消された。初回施術後には動作制限がなくなり、症例者は喜ばれた。その後、症状の再燃や新たな症状の報告はなかった。
使用したツボ
まとめ
膝痛の原因が整形外科で「膝蓋下脂肪体炎」の疑いと診断されていたが、患部への注射では改善が見られなかったため、膝周辺の動きに関わる他の部位にアプローチを行った。臀部や膝裏、腰部、背中のツボに鍼をすることで、膝の動作時の痛みが解消され、症例者の動作制限がなくなった。本症例では、膝痛の原因が膝そのものだけでなく、関連する部位の硬さや緊張にある可能性が示唆された。膝痛の治療においては、患部だけでなく全身のバランスを考慮した施術が重要であると考えられる。
担当スタッフ
洲崎 和広