片足バランス運動後に出現した踵の痛み
症状

一か月前から左踵中央部に痛みが出現した。この時期に雑誌で紹介された片足バランス運動を始めていた。主訴は左踵中央部の痛みで、体重をかけた際に特に痛みが強く現れた。また、左大腿後面の痛みと左脚全体の重だるさを伴っていた。体幹を側方にずらす動作で痛みが再現され、足関節の背屈制限も認められた。日常生活における歩行時の痛みが顕著であった。
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来院者
女性
70 代
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期間
2025年1月 ~ 2025年1月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初回施術では、左下肢全体の緊張緩和を目的として、腰部や臀部のツボに鍼をした。また、足関節背屈制限に対して、関連する腰部のツボにも施術を行った。初回施術後、踵の痛みは半減し、大腿後面の痛みと側方荷重時の痛みは消失した。5日後の2回目の施術では、残存していた踵中央の圧痛とふくらはぎの緊張に対して、前回と同様の施術を基本としながら、特に足関節周囲に重点を置いて施術を実施した。その結果、足関節背屈制限と踵部の圧痛が消失し、歩行時の痛みも完全に改善した。
使用したツボ
まとめ
本事例は、雑誌で紹介された片足バランス健康法の実践が契機となって発症したと推測される踵部痛の症例である。一か月間持続していた症状に対し、左下肢全体の緊張と足関節の機能制限に着目し、腰部から足部までの包括的な施術アプローチを行ったことで、わずか2回の施術で著明な改善が得られた。このことから、踵部痛の治療においては、局所的な施術だけでなく、下肢全体の機能的な関連性を考慮した施術が有効であることが示唆された。また、健康法の実践においても、適切な方法と負荷量の調整が重要であることが確認された。
担当スタッフ
洲崎 和広