NEW長時間の座位姿勢後に増強する下腿から足背にかけての痺れと歩行障害
症状
三か月前から長距離移動後に右下腿外側から足背にかけてジンジンするような痺れ感が出現した。特に電車や飛行機など、長時間の座位姿勢後に症状が強く現れる傾向にあった。痺れにより歩行時につま先がひっかかるなど、違和感が持続していた。また、右腰部痛も伴っていた。医療機関での受診歴はなく、日常生活における不便さと、症状が自然回復しないことへの不安から来院に至った。
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来院者
女性
40 代
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期間
2024年10月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の所見では、ラセーグテスト陰性、足趾伸筋・屈筋の左右差は認められなかったが、右腓骨筋の筋力低下が確認された。また右腓骨頭部の叩打時に右下腿外側から足背にかけてジンジンする痺れが再現された。歩行時に右へのブレが大きいことから左右の片足立ちを確認したところ、右の片足立ち時には股関節内転位での姿勢であった。これらの所見を踏まえ、右下腿の後面と側面、そして右背部のツボに鍼をした。施術直後から右下腿から足背にかけての痺れが消失し、右腓骨筋の出力も向上した。1ヶ月後の別症状での来院時には、下腿の痺れは気にならない状態が継続していることが確認された。
使用したツボ
まとめ
長時間の座位姿勢後に増悪する下腿の痺れに対して、足部周辺のツボへの施術が即時的な効果を示した症例である。右腓骨筋の筋力低下を伴う症例であったが、適切なツボ選択により、痺れの消失と筋出力の改善が得られた。1か月後の経過確認でも症状の再発は認められず、施術の効果が持続していたことが確認された。本症例は、下肢の痺れに対する鍼施術の有効性を示唆するものである。