NEW聴力回復後も続くキーンという耳鳴り
症状
左耳に突然の難聴症状が出現し、医療機関にて「突発性難聴」の診断を受けた。他の鍼灸院での施術により聴力は回復したものの、キーンという耳鳴りのみが4ヶ月間持続していた。耳鳴りは常時存在し、シャワーを浴びると一時的に症状が和らぐ傾向にあった。以前にはふらつきの症状も伴っていたが、初診時には既に改善していた。耳鳴りにより読書に支障をきたすなど、日常生活への影響が認められた。
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来院者
男性
60 代
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期間
2023年11月 ~ 2023年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
10回
施術と経過
初診時の所見では、首肩周辺、特に脊柱起立筋の緊張と鼻周辺に関連する部位に緊張が認められた。手足のツボに鍼をし、脊柱起立筋の緊張緩和と鼻周辺の調整を行った。2回目の施術時には耳鳴りに波が出現し、耳内に心地よい掻痒感が生じた。同様の施術を継続したところ、3回目で耳鳴りが軽減し読書が可能となった。その後も耳鳴りには波があるものの、日常生活に支障をきたすことはなくなり、約10回の施術で症状は安定した。
使用したツボ
まとめ
「突発性難聴」後の残存症状である耳鳴りに対して、手足のツボへの鍼施術と頚部周辺の緊張緩和により改善が得られた症例である。特に脊柱起立筋の緊張と鼻周辺の状態に着目した施術方針が有効であった。施術開始後早期から症状の変化が現れ、3回目で顕著な改善が得られた。その後の継続的な施術により症状は安定し、日常生活への支障が解消された。本症例からは、耳鳴りに対する施術において、頚部周辺の筋緊張への対応と鼻周辺の調整が重要な要素となる可能性が示唆された。