NEW電車移動後に発症した寝られないほどの背中の痛み
症状
電車での揺れと歩行後に背部に違和感を感じ始め、翌日のデスクワーク中に背部痛が出現している。痛みは左側優位で、特に仰向けの姿勢で増強し、睡眠が困難な状態であった。随伴症状として足のハリ感、首と肩のこりを伴っていた。初診時の所見では、背部筋の緊張が顕著で、仰向けの姿勢が困難な状態であった。医療機関での診察歴はなく、いわゆる「ギックリ背中」の状態であった。
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来院者
女性
40 代
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期間
2022年11月 ~ 2022年12月
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頻度
週1回程度
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通院回数
5回
施術と経過
初回施術では、背部の緊張緩和を目的として、背中のツボと脊柱起立筋の緊張を緩めるための足のツボに鍼を施術した。初回施術後、背部の違和感は軽減し、仰向けでの就寝が可能となった。2回目以降も同様の施術を継続し、全体的な症状は改善傾向を示したが、左下側臥位での痛みなど、特定の体位での痛みが残存していた。施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現はなく、5回の施術で症状は改善した。
使用したツボ
まとめ
本症例は急性発症の背部痛で、特に仰向け姿勢での痛みが顕著であった。施術では、背中のツボと足のツボへの鍼施術を中心に行い、特に初回施術で顕著な改善が見られた。その後も同様の施術を継続することで、段階的な症状の改善が得られ、5回の施術で症状は改善に至った。本症例からは、急性の背部痛に対して、直接的な施術部位だけでなく、遠隔部のツボを用いた施術も有効であることが示唆された。また、初期の適切な施術により、早期の症状改善と日常生活への復帰が可能となることが確認された。