突然始まった耳のつまりと難聴・耳鳴り
症状
1ヶ月前に突然発症した左耳のつまり感、右耳の難聴および「キーン」という耳鳴りを主訴に来院した。症状の程度は一定で若干の波があり、日常生活においてストレスを感じる程度であった。既往歴として15~16年前に聴力低下と耳鳴りの経験があった。初診時の所見では、頚部に強い緊張が認められた。MRI検査で異常なし。耳鼻科では「耳管狭窄症」と診断された。
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来院者
男性
40 代
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期間
2024年3月 ~ 2024年5月
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頻度
週2~3回
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通院回数
11回~15回
施術と経過
左肩甲骨内縁と左右の腰部のツボに鍼をした。初回施術後は耳と頚部の症状が改善し、併せて動悸も軽減した。背部の緊張が頚部の緊張を引き起こし、それが耳の症状に影響を与えていると考え、同様の方針で施術を継続した。施術直後は症状が改善するものの数日で再び気になる状態となったが、繰り返し施術を重ねることで徐々に症状は軽減した。ゴルフや旅行後に一時的な症状の悪化が見られた。
使用したツボ
まとめ
本症例は、頚部や背部の筋緊張が耳の症状に影響を与えていると考えられた症例である。12回の施術でほぼ症状は消失し、その後は症状が気になる際に施術を受けることで改善が得られている。施術後は一時的な改善が得られ、継続的な施術により症状の改善が認められた。ただし、ゴルフや旅行といった活動による一時的な症状の悪化が見られたことから、生活習慣や活動量の変化に伴う症状の変動には注意が必要である。頚部や背部への施術を中心とした治療アプローチが有効であったと考えられる。