肝臓癌の手術以来、首・肩が動かず痛みがある
症状
肩こりや首の痛みは慢性的にあった。20年ほど前に受けた肺がんの手術後、症状がひどくなる。
肝硬変から肝臓癌になり、昨年4月に手術。それ以来、さらに症状がひどくなり、首も肩も動かない状態になった。
足のむくみもひどく、体全体が凝っている感じ。
湿布などで対処していたが、その時は良いが、効果は続かず。
「もう、長くないのかも」と心配した娘さんが、ネットで札幌で首・肩こりに強い鍼灸院を探し、当院を探し当て、来院。
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来院者
70 代
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期間
2016年4月
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通院回数
2回
施術と経過
肩こりは右>左。首の右回旋時に痛みが強く、可動域制限がある。また、首を後屈させると、痛みがひどくなる。肺がんと肝臓癌の手術の影響で、動きが歪んでしまったためと考える。可動域テストと触診により、手の動き、頚椎の動きに問題があると考え、手のツボに鍼をすると、直ちに首の可動域が回復した。
前回の治療で、首の痛み、足のむくみがなくなって体が軽いとのこと。
残った症状を聞くと、首は全く良くなったが、空が重い感じがする。腸脛靭帯の硬さが気になるとのこと。
肩の動きを見てみると、左の手と、右の肘に問題があると考え、鍼をしたところ、肩の重さを感じなくなったとのこと。腸脛靭帯を緩めるため、腰のツボに鍼をすると、張りが気にならなくなった。
「もう、おしまいかと思っていたけど、歩けるようになって元気が出てきた。大変嬉しい」と笑顔。鍼灸師冥利につきる言葉である。
使用したツボ
まとめ
医学的な見地から行くと、手がつけられない症状にも見えるが、体の動きを観察し、何が起こっているか注意深く考察することで、解決への道が見える場合がある。身体全体の不調やむくみは、器質的なものと機能的なものがある。そのうち、機能的なものならば、鍼灸でかなりの改善が期待出来る。見た目の状態にとらわれることなく、丁寧に診ることが大事である。