チューバの低音域が出ない
症状
中学の部活から続けているアマチュアのチューバ奏者。3年程前から低音域の音が吹きづらくなった。当初は最低音(ペダルトーン)から4番管を押した音までが出せなくなり、次第に第2倍音までという具合に出せない音がひろがっていった。今は第2倍音周辺から下の音が出せない。特に吹き始めが安定せず、タンギングがうまくできない印象がある。特に思い当たるきっかけはない。けがもなく痛みも感じない。
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来院者
女性
30 代
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期間
2020年2月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
真ん中の楽に出せる音(第3倍音:FまたはG)から下の出しづらい音(第2倍音:B♭またはC)へリップスラーを吹いてもらい、口唇や顎の動きを確認した。すると音が切り替わるところで口唇の動きがぎこちなく、そのために唇の振動が途切れて下の音が出なくなっていた。
口唇のスムーズな動きをさまたげる緊張やコリがないか、顎関節、首、下顎骨の内側などを触れると、右側頚部と顎の内側に強い張りが認められた。そこでそれぞれに対応する手のツボに鍼をした。
施術後にあらためて同じ音形を吹いてもらうと、音の切り替わりがスムーズになり途中で音が途切れることなく下の音が出た。本人の感覚として下の音に移る時の「ひっかかりがなくなった」とのコメントを得ることができた。
使用したツボ
まとめ
局所に残った緊張やコリのために今までできていた動作ができなくなることがある。本例ではそうしたコリから類推して表情筋や舌、顎関節等の動きの円滑化につながるツボを検討した。初めから下の音を一発で当てるのはまだ困難だが、音が出せる身体的状況を整えるためには鍼が役に立つ。