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症状
症例者は2年以上前から、寝起き時に尿を漏らす夜尿症を訴えていた。病院で腰のヘルニアが原因の可能性を指摘され手術を受けたが改善せず、薬や漢方でも効果がみられなかった。症状は毎朝続いており、特に変動はなく、毎朝の掃除が日常的な負担となっていた。また、奥様のその介護によるストレスや日常的なイライラも大きくご主人として申し訳ない気持であった。触診では下腹部の冷えと恥骨上の硬さが確認された。
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来院者
男性
74 歳
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期間
2024年11月 ~ 2024年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
4回
施術と経過
初診時には、下腹部の冷えを考慮し、陰谷、委陽、中髎のツボに鍼を行った。初回施術後には脚の冷えが改善し、体全体の循環状態の変化がみられた。2回目以降も同様の方針で施術を継続したところ、2回目の施術後には夜尿症がなくなり、3回目の施術で症状が安定した。ただし、お酒を過度に飲んだ際には朝の尿漏れが再発することが確認されたため、節制の重要性を伝えた。
使用したツボ
まとめ
夜尿症の改善には、下腹部の冷えと恥骨上の硬さへのアプローチが有効であったと考えられる。また、施術を通じて症例者のストレスが軽減し、家庭環境の改善や本人の自信の向上も症状の改善に寄与したと推測される。3回の施術で症状が安定したものの、お酒の摂取量に注意するよう指導し、再発予防に努める必要がある。今後も生活習慣の見直しを支援しながら、安定した予後を目指していくことが望ましい。