NEW何もしていなくても気になる首の痛み
症状
80代男性が首肩の痛みを主訴に来院した。来院の2週間ほど前に首とは別症状で1週間程度の入院をしており、その間ほとんど体を動かしていなかったことが症状の原因と考えられた。特に右側の首肩の境目と肩全体に痛みがあり、上を向くことができない状態であった。痛みは常に存在し、日常生活にも支障をきたしていた。また、肩の痛みとは別に腰痛も訴えていた。これまで医療機関での診断や治療は受けていなかった。初診時の触診では、肩周りに強い緊張が認められ、かなりの硬さがあったが圧痛はなかった。腰からの影響も疑い臀部を確認したところ、深層部の緊張が認められた。
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来院者
男性
80 代
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期間
2025年10月 ~ 2025年11月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
初回施術では、肩甲骨周囲のツボを用いて首の可動域改善を図り、臀部のツボを使用して肩周りの緊張緩和を狙った。初回施術後、首の動かしやすさを実感してもらうことができた。2回目以降も同様の方針で、可動域の改善と臀部のツボを使った肩の緊張緩和を継続して行った。施術を重ねるごとに症状は徐々に改善し、4回目の施術後にはとても楽になったとの報告を受けた。施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現はなく、4回の施術で一旦終了とした。
使用したツボ
まとめ
入院による活動量の低下が原因と考えられる首肩の痛みに対し、肩甲骨周囲と臀部のツボを用いた施術を行った。初回から首の可動域改善が得られ、同様の方針を継続することで4回の施術で大幅な改善が認められた。臀部の深層部の緊張が肩周りの症状に影響していたと考えられ、局所だけでなく遠隔部位へのアプローチが有効であった。症状の再燃もなく経過は良好であり、活動量の低下による筋緊張に対して鍼施術が効果的であることが示された。










