NEW緊張時の発汗とホットフラッシュを訴える更年期症状
医師による診断:更年期障害
症状
50代女性が数年前から続く発汗の症状を訴えて来院した。特にここ数カ月で症状が悪化しており、人前で話す場面や電車内など緊張する状況で汗が噴き出すようになっていた。この症状により、仕事で人前に立つことへの不安が強く、プレゼンテーションでは内容よりも発汗を心配するようになり、一人だけ汗をかいている状況に恥ずかしさを感じていた。婦人科では更年期障害の疑いと診断され漢方薬を処方されていたが、症状の改善は見られなかった。発汗に加えて強いのぼせ感も訴えており、日常生活に支障をきたしていた。初診時の触診では、頭部の熱を下方へ逃がす通り道となる頚部・肩部・腹部に強い緊張が認められた。
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来院者
女性
50 代
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期間
2025年10月 ~ 2025年11月
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頻度
週2~3回
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通院回数
10回
施術と経過
初回施術では、頚肩部の緊張と腹部の緊張を緩和するため、手・足・臀部のツボに施術を行った。施術後、症例者は体の軽さを実感したが、のぼせについては緊張していない状態のため変化は不明であった。2回目の来院時、人前で話す機会があったものの以前ほど汗が出なかったとの報告を受けた。そこで前回と同様の施術に加え、自律神経を整えるための施術を追加した。施術を重ねるごとに、ほてりやのぼせが気になる頻度が減少し、汗が噴き出す症状も消失していった。6回ほどの施術でホットフラッシュの症状は落ち着きを見せた。施術期間中、人前で話す予定がある際には前日に来院してもらい施術を行うなど、症状の再発予防にも配慮した。現在は週2回の通院から週1回へと頻度を減らし、経過を観察している段階である。
使用したツボ
まとめ
更年期障害の疑いに伴うホットフラッシュに対して、頚肩部と腹部の緊張緩和を中心とした施術を行った症例である。手・足・臀部のツボへの施術により熱の通り道を確保し、さらに自律神経を整える施術を加えることで、発汗とのぼせの症状が改善した。6回の施術で症状が落ち着き、通院頻度を減らすことができた。緊張場面での発汗という心理的要因も関与する症状に対して、身体的アプローチが有効であったと考えられる。今後も定期的な施術により、更年期を上手に乗り越えられるよう心身のバランスを整えていく方針である。






