NEW便秘と下痢が混在するお腹の張りと腰痛の改善例
症状

1年ほど前から便秘に悩んでおり、3日に一度程度しか排便がなく、量も減少している状況であった。お腹全体に張りを感じるほか、便秘改善に良いと言われているお茶を濃く出して飲むと、水のような下痢になることがあり、内臓の調子全体が落ちていると感じていた。また、右腰椎4番付近に慢性的な痛みがあり、便秘との関連が疑われた。さらに、過去に3回のお産時に脱腸手術を受けており、その際に腸を切除していることが便秘の原因として考えられた。これまで漢方薬やお腹のマッサージを試みたが、効果が乏しく来院に至った。日常生活ではお腹の張りが不快感を伴い、集中力の低下やストレスを感じることがあった。
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来院者
女性
80 代
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期間
2024年4月 ~ 2024年5月
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頻度
週1回程度
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通院回数
5回
施術と経過
初診時、右腰椎4番付近の痛みが便秘と関連している可能性があると判断し、腰と便秘改善に効果が期待できるツボに鍼をした。初回施術後、腰の痛みは完全に消失し、便秘改善のためのお茶を飲んでも下痢にならなくなった。3回目以降からは排便の頻度が増加し、便の状態も改善。最終的には毎日排便がある状態となり、お腹の張りも軽減したため、5回の施術で終了した。
使用したツボ
まとめ
便秘と下痢が混在する症状に対して、腰とお腹に効くツボへの鍼が効果的であった。特に、便秘改善のためのお茶を飲んでも下痢にならなくなったことから、内臓の調子全体が整ったと考えられる。また、腰椎の痛みが初回施術で解消されたことは、便秘との関連性を示唆する重要なポイントである。さらに、過去の脱腸手術による腸の切除が便秘の原因として考えられる中で、鍼灸施術が排便の頻度や便の状態を改善したことは注目すべき成果である。本症例は、便秘と関連する腰痛に対する鍼灸の有効性を示しており、今後も同様の症状に対して応用が期待できる。
担当スタッフ
宮島 広介