NEWみぞおちの痛みと吐き気で睡眠に支障をきたすほどの機能性ディスペプシア
症状
初診の2ヶ月前より胃の周囲やみぞおちの痛み、吐き気が出現した。
症状は特に夜間に悪化し、痛みと吐き気により中途覚醒するほどの状態であった。
医療機関にて血液検査、胃カメラ、大腸カメラ、腹部超音波検査、CT検査を実施したが、器質的な異常は認められず、機能性ディスペプシアの疑いと診断された。
全身的な倦怠感も伴い、日常生活に支障をきたしていた。
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来院者
男性
30 代
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期間
2024年10月 ~ 2024年12月
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頻度
週1回程度
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通院回数
10回
施術と経過
初診時、みぞおちや臍上部に著明な硬さを認めた。
初回施術では左四瀆、左地機、右陽陵泉、右背部第3胸椎(4)、左背部第4胸椎(4)、左背部第12胸椎(3)のツボに鍼をした。
施術後、症状は軽度改善を示した。GSRSスコアは初回46点から、2回目37点、3回目31点と改善傾向を示し、4回目には24点まで低下した。6回目まで週1回のペースで施術を行い、その後は2週間に1回の頻度とした。
仕事上のストレスで一時的に症状の増悪を認めたものの、継続的な施術により最終的にGSRSスコアは18点まで改善した。
現在は日常生活での支障はほぼない。
データ
使用したツボ
まとめ
本症例は、器質的異常を認めない機能性ディスペプシアに対して鍼施術を行い、良好な結果を得られた。
特に初期の4回までの施術で顕著な改善が見られ、GSRSスコアの推移からも治療効果が客観的に確認できた。
施術頻度を症状の改善に合わせて調整したことで、効率的な症状管理が可能となった。
中途覚醒も消失し、QOLの改善も達成された。
ストレス因子による一時的な症状増悪はあったものの、継続的な施術により安定した状態を維持できている。
担当スタッフ
杉山英照