NEW就寝時の咳と肩の痛みに悩む漁師
症状
漁師として働く症例者が、2週間前から就寝時に咳込む症状を訴えて来院した。仰向けになると特に咳が激しくなり、夜間の睡眠が妨げられる状態が続いていた。また、左肩の挙上制限も伴っていた。職業柄、冷たい風に常時さらされており、これが症状に影響を与えている可能性が考えられた。医療機関での受診歴はない。
-
来院者
男性
60 代
-
期間
2024年12月 ~ 2024年12月
-
頻度
1回通院
-
通院回数
1回
施術と経過
触診により、大胸筋および鎖骨部周辺に顕著な緊張が認められ、右肩の側方挙上制限も確認された。手・腕のツボと肩甲骨の可動性に関連するツボに鍼をした。施術直後から咳症状は消失し、睡眠障害も改善。また、冷えていた身体が温まったとの報告があった。一か月後の来院時には、咳症状の再発は見られなかった。
使用したツボ
まとめ
寒冷環境での労働による身体の冷えと筋緊張が、夜間の咳症状を引き起こしていたと考えられる。特に大胸筋や鎖骨部周辺の緊張が呼吸運動に影響を与え、仰臥位での咳を誘発していた可能性が高い。手・腕および肩甲骨周辺のツボへの施術により、筋緊張の緩和と体温調節機能の改善が図られ、症状の即時的な改善につながった。寒冷環境下での労働者に見られる呼吸器症状に対して、鍼施術が有効な選択肢となり得ることを示唆する症例である。
担当スタッフ
洲崎 和広