NEW座位姿勢で悪化するおしりの痛みとコリ
症状
長年にわたり徐々に悪化した左坐骨付近の慢性的な疼痛とコリ感を主訴として来院した。症状は特に電車での移動など20~30分程度の座位姿勢後に増悪する傾向が認められた。患部は左坐骨と肛門の間という位置にあり、圧痛と硬結を認めた。また、全身的なコリ感も伴っていた。患部周辺に力が入りやすい感覚があり、日常生活での違和感となっていた。医療機関での精査や治療は受けていなかった。
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来院者
女性
30 代
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期間
2024年11月 ~ 2024年11月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時、デリケートな部位であることを考慮し、患者の同意を得ながら衣服の上からの触診を実施した。その結果、患部にわずかな硬結を確認した。施術は患部を避け、左下腿内側のツボと左前腕のツボに対して鍼を行った。初回施術時には即時的な効果は確認できなかったものの、後日、症状が気にならなくなったとの報告があり、1回の施術で終了となった。
使用したツボ
まとめ
本症例は、デリケートな部位の症状に対して、直接的なアプローチを避けて遠隔部のツボへの施術で改善が得られた例である。長年の慢性的な症状であったにもかかわらず、1回の施術で著効を示した点が特徴的である。患部周辺は触診や施術が難しい部位であるが、適切な遠隔部位への施術により、効果的なアプローチが可能であることが示唆された。同様の症状で悩む患者に対して、有用な治療選択肢となり得ることが示された症例である。