車内での腹痛、動悸、めまい
症状
車内での腹痛 動悸 めまい 頭重感 不眠 頚肩のコリ
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来院者
男性
20 代
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期間
2023年7月 ~ -2023年10月
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頻度
週1回程度
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通院回数
10回
施術と経過
(初診)
2か月半前から電車に乗るとたびたび下腹部痛がおき、また1か月前から動悸、頭重感、不眠、気が遠くなるような目まいの症状に悩まされているとのこと。
病院で大腸内視鏡検査、エコー検査するも異常は認められなかったとのこと。
触診すると後頚部の張り、背部の脊柱起立筋の張り、足底の冷えと湿感が認められた。以上の事と主訴とで自律神経系の乱れが大きく関与していると考えられるので自律神経のバランスを整えながら個々の症状に向けた治療を進めることにしました。
上半身に停滞している熱を下半身に誘導するため背中の起立筋を緩め、肩のこりを緩めるため腰に鍼をした。
(2回目)
前回後眠れるようになったとのこと。しかし動悸や腹痛はまだあり、下痢気味である。
また急にカラフルな場所に行くと気が遠くなるような目まいを起こすとのこと。
前回同様に上半身の熱を下げる治療と整腸のため下腿と腰に鍼をした。
(3回目)
車内での腹痛は少なくなったとのこと。胸苦しい感覚はあり、下痢は時々ある程度になった。
引き続き熱を下げる治療と頚の側面が硬かったので肩甲骨の内側に鍼をして緩めた。
(4回目)
本日は下痢がひどく(水溶性)だったため過敏性腸症候群の治療に使う下腿のツボに鍼をした。
また気が遠くなるのは耳の影響とも考えられるので内耳の血行を良くするべく背中に鍼をした。
(5~8回目)
下痢は良くなり車内での腹痛もなくなってきた。気が遠くなるようなこともなくなったが天気が悪くなると頭痛が起こるので後頭骨下縁を緩めるため背中に鍼をした。また胸鎖乳突筋痛に対して手と足甲に鍼をして緩めた。
調子が良いようなので次回まで2週間空けてみることにした。
(9回目)
全体的に体調良好で、めまいや腹痛もなく夜も眠れ、気になるのを強いてあげれば肩こりぐらいとのこと。肩こりのため腰に鍼をし、全体の熱を下げる鍼をし、内耳の血行を良くする鍼をした。
再び次回まで2週間空けることにした。
(10回目)
この2週間も体調は良好だったとのこと。右下腹部に圧痛が認められたが下腿に鍼をするとすぐに消失した。
肩こりの鍼を腰にして、熱を下げる鍼を下腿にして、頸部側面を緩める鍼を背中にした。
当初の主訴である「車内での腹痛」「動悸」「めまい」「不眠」「頭重感」がこの一か月感じられなくなったので本日で治療を終了した。
使用したツボ
まとめ
主訴にとらわれ個々の症状に対応した治療だけでは、なかなか治療効果は上がらなかったでしょう。
根底にある自律神経のアンバランスを整えることを重視した治療を進めたのが良かったと思われます。
また「カラフルな状況を見ると気が遠くなるような目まい」に対して視覚からくる情報に対する症状の改善に聴覚である内耳に着目したのが功を奏したと思われる。