トロンボーン奏者のアンブシュアの震えとタンギング不調
症状
フリーランスのトロンボーン奏者。
1年前から楽器を吹く時に、特に唇の右側がふるえる。それにともなって右の口角から息がもれたり、顔の右側の筋肉が固まるような感じがする。
またタンギングができない。タンギングなしでスラーで吹いてみても途中で音が消えてしまうことがある。
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来院者
男性
30 代
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期間
2021年1月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
顔面や喉まわりの筋肉の緊張状態を確認して、それらをゆるめると演奏にどのような変化が表れるか1つ1つ確認することとした。
まず下顎の奥に強い緊張が認められたので手のツボでそれをゆるめた。試奏してもらうと息がもれずに吹けてタンギングもできるようになり、ご本人の感覚的に「いい意味で混乱してます」との感想をいただいた。
遠方からのご来院で頻繁に通うことができないため、状態を長続きさせられるよう顔面の筋肉や顎関節などの状態を確認してさらに気になるところを整えて終了とした。
半年後に再度ご来院いただく機会があり、以前よりも良い状態が維持されていることを確認した。
使用したツボ
まとめ
あまり知られていないが、管楽器奏者のアンブシュアやタンギングのトラブルが鍼治療をきっかけとして改善することはよくある。症状の現れる顔面や喉まわりは管楽器奏者にとって商売道具とも言える大切な部位であり、そこに直接鍼を入れることは抵抗が大きい。しかし整動鍼の連動理論に基づくツボを使えば局所に鍼をしない施術が可能であり、本例ではそのメリットを生かして効果を上げることができた。
担当スタッフ
楠 洋介