クラリネットを吹くと数分で起こる鼻抜け
症状
音大を受験予定の高校生クラリネット奏者。
中学生のころから楽器を長時間吹いたり緊張したりすると喉の奥が「グッグッ」と鳴ったり痛みを感じたりすることがあった。
2年前、レッスン中に初めて息が鼻から抜けて楽器が鳴らなくなった。その時は一過性だったが最近また練習中に同じ症状が起こる。鼻抜けのために数分のエチュードを最後まで吹くことができない。入試までになんとかしたいと思って来院。
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来院者
女性
10 代
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期間
2020年8月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
施術前に試奏してもらうと顎下に締めつけられるような感覚があるとのことだった。触れて確認すると下顎骨裏側の筋肉や左側頚部に強い緊張がみられた。
頚部の緊張と関係の深い手足のツボに鍼をして当該部位を緩め、再度試奏してもらった。すると左側頚部の締め付け感は消失し、中央と右側が残った。右手足と首の後ろのツボを追加して残った締め付け感も解消して終了とした。
施術から半月後に「鼻抜けになることが減って音大にも合格した」旨メッセージをいただいた。
使用したツボ
まとめ
「鼻抜け」とは管楽器演奏時に口から楽器に向けて吐くべき息が鼻から漏れることで楽器を鳴らせなくなる現象である。医学的には鼻咽腔閉鎖不全という。軟口蓋形成不全やアデノイドの形状などを理由とする器質性のものと、軟口蓋挙上がうまく働かない機能性のものがある。機能性の鼻抜けは喉や首周りの緊張を解くことで改善することが多く、本例もその一例。
担当スタッフ
楠 洋介