オーボエ演奏がきっかけの小指のしびれ
症状
音大生オーボエ奏者。2か月ほど前から両手ともに指に違和感があった。いろいろ症状が変遷したが、今は両手ともに小指にしびれを感じる。もともとは楽器演奏時の姿勢との関係で生じた気がするが最近は常時しびれている。左手より右手の方が強くしびれ、右肘の横(尺骨神経溝のあたり)を押すとジンジンする。また上腕二頭筋にも違和感がある。以前「胸郭出口症候群」と言われたことがある。
-
来院者
女性
20 代
-
期間
2020年2月 ~ 2020年3月
-
頻度
週1回程度
-
通院回数
2回
施術と経過
来院時にしびれの感覚があったことから、その時点の体の状態に演奏動作の影響が残っていたと仮定して施術することとした。
1回目:まず楽器を構える動作との関連で、肩甲骨を後ろに引っ張る背中側の筋肉を触れて確認した。脊椎付近に硬いコリがあったのでそこに鍼をした。すると「右の小指がジーンときて温かくなった」とのコメントを得た。
次に頚椎の動きを確認すると上を向く動きと斜め前に首を倒す動きがやりづらいことが分かった。それぞれの動作に関係するやはり脊椎のツボに鍼をしたところ、左の小指がだいぶ楽になった。また右の小指もしびれが「かなり軽くなった」との感想を得られた。
2回目:左手についてはほぼ気にならず右手のしびれは少し残っていた。1回目と同様のツボを使ったところ、右手のしびれも消失した。
使用したツボ
まとめ
腕や手と脊椎は協調して動いている。一方で脊椎には姿勢維持の役割がある。本例は背中に付着する腕の筋肉が姿勢維持にも参加していて、その緊張が抜けないために指にしびれを生じたものと考えられる。脊椎のツボで手の症状を改善できた一例。