慣れない楽器(コントラバス)を弾いて痛めた右手中指
症状
ジャズ専門のベース(コントラバス)奏者。借りた楽器でセッションすることが1年程前にあった。その時、慣れない楽器に苦労して右手が痛くなった。医療機関を受診したら「ばね指の一歩手前の状態」と告げられ、それ以来断続的に良くなったり悪くなったりを繰り返している。
1週間前にリハーサルで長時間弾くことがあってさらに悪化してしまった。今は特に右中指が痛くて曲げられない。無理に曲げようとすると背中の右肩甲骨と脊椎の間にしびれが走る。
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来院者
女性
20 代
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期間
2019年8月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
右手中指が自力での屈曲困難な状態だった。そこで力をぬいてもらって、術者が指を持って動かしてみると第3関節(MP)のみ屈曲困難なことが分かった。手掌を触れて確認すると中指屈筋腱の走行に沿って硬い緊張を認めた。また右肩甲骨内縁から脊椎にかけても緊張があった。
まず手首の動きと関係する腕のツボを使って症状が緩和することを確認した。さらに背中の緊張を確認しながら肩甲骨の動きとの関連で使うツボを探した。来院当日はなかったが「左手の指が痛むこともある」とのことから、左手/左肩甲骨との関係も視野に入れながらツボを選び鍼をした。すると若干の重さを感じるものの、右手中指を自力で痛みなく曲げられるようになった。また「肩がふわふわした不思議な感じがする」との感想を得た。
後日連絡をとってその後悪化していないことを確認し終了とした。
使用したツボ
まとめ
コントラバスは演奏会場の備品を借りて本番にのぞむことがある。慣れない楽器に無理に対応することで体を痛めるケースは意外と多く、本例もそのようなきっかけで痛みを生じた。指の動きとの関連で背中にしびれがあり原因点は分かりやすく示されていた。背中の原因にうまく対処できたことで早期の改善を促したと考える。