「橈骨神経麻痺」と診断された二の腕の痛みと指のしびれ
症状
4日前に飲酒後、車で座ったまま、左側によっかかって寝た。起きたら左腕が痛みしびれていて力が入らない。
翌日の朝アルバイトだったが手に力が入らないため仕事できず整形外科を受診。「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」と診断され薬(メチコバール)を処方されるが、4日たっても痛み、しびれが治まらないため、母の勧めで来院。
日常生活で困っていることは、ペットボトル、コップやドライヤーを持てず落としてしまう、物をつかめない、髪の毛を結べないこと。
ご本人の希望は、「来月、今後の生活にかかわる大切な試験があるので、早く元の生活に戻りたい。」とのこと。
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来院者
女性
20 代
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期間
2017年4月 ~ 2017年5月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
主訴は二の腕と親指であるが、橈骨神経は頸部(首)、肩の緊張や動きとも関連があるため、それぞれチェックしたところ、左頸部に圧痛、頸部前屈すると背部に痛み、肩に緊張点があった。
頸部にアプローチする手のツボ、背部には足のツボ、腕のしびれには手と肩甲骨のツボに鍼を行う。
2回目、親指のしびれ感は初回10→4まで減少。腕の痛みは変化なし。腕に力が入らず、コップを落としてしまった。鍼は前回と同様に行う。
4回目、親指のしびれ感は初回10→2まで減少。腕の痛み10→0と消失。
5回目、親指のしびれ感は初回10→1、ほぼ気にならないレベルに。腕の痛みも0のまま。ペットボトルをなんとか持てるようになり、髪も結べるようになった。
6回目、親指のしびれ感は初回10→0、消失。ペットボトルもだいぶ持てるようになり、握力が戻ってきため今回にて施術を終了とする。
使用したツボ
まとめ
しびれを感じている部分は、親指と人差し指の親指側であること、手首が下に垂れてしまう「下垂手」の症状が認められることより、典型的な「橈骨神経麻痺」であると推察できた。
橈骨神経麻痺はなおるまで麻痺レベルにより違い、長い人では数か月かかることもあるというが、今回のケースは発症後4日で来院したこと、初回施術から17日間で6回来院という施術間隔の短さもあり、短期間で元の生活に戻れた例である。
担当スタッフ
那須あゆ美