NEW右上腕三頭筋の痛みと慢性的な首肩こり
症状
30代女性が、2週間ほど前から右上腕三頭筋の痛みを訴えて来院した。痛みは腋窩から肘の中央付近に沿って生じており、特に発症の明確な要因は認められなかった。また、慢性的な首肩こりも併発しており、最近は疲労の蓄積により痛みが増強していた。症状の程度に大きな変動はなく、腕を上方に挙上する動作時に首肩の痛みが顕著に出現していた。日常生活や仕事中に腕を上げる動作が頻繁にあるため、上腕三頭筋の痛みと首肩こりの両方が支障をきたしていた。これまで医療機関での診断や治療は受けておらず、症状に関連する他の体調不良は認められなかった。
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来院者
女性
30 代
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期間
2025年10月
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頻度
1回通院
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通院回数
1回
施術と経過
初診時の触診では、上腕三頭筋に明確な左右差は確認できなかったが、右肩部に顕著な張りが認められた。また、左右の胸鎖乳突筋にも緊張が確認された。動作確認では、肩の外転動作時に上腕三頭筋の痛みが誘発された。施術では、上腕三頭筋の緊張を緩和するために背中のツボに鍼をした。首肩の症状に対しては、手のツボと足のツボを用いて筋緊張の緩和を図った。初回施術終了時には、肩外転時の痛みが軽減し、首肩こりからの開放感を実感してもらうことができた。その後、症状に関する報告はなかった。
使用したツボ
まとめ
右上腕三頭筋の痛みと慢性的な首肩こりを訴える症例に対して、背中、手、足のツボを用いた施術を行った。初診時の所見では、上腕三頭筋自体に明確な異常は認められなかったが、右肩部と両側の胸鎖乳突筋に顕著な緊張が確認された。肩外転時に上腕三頭筋の痛みが誘発されることから、肩周囲の筋緊張が上腕三頭筋の症状に影響していると考えられた。背中のツボで上腕三頭筋の緊張を、手と足のツボで首肩の緊張を緩和する施術を行った結果、初回施術で肩外転時の痛みと首肩こりの両方が改善し、症例者は開放感を実感した。本症例は、局所的な痛みであっても周囲の筋緊張が関与している可能性を示唆しており、全体的なバランスを考慮した施術の有効性が確認された。






















