NEW取り憑かれたような首肩こり
症状
一週間ほど前から首と肩の痛みを訴えて来院した。肩は常に痛みがあり、首は動作時に痛みが出現する状態であった。肩と首の痛みの範囲が似ているため、どちらの痛みか判別しにくい状況であった。仕事中にも痛みが出現し、首を動かす際に痛みが増強するため業務に支障をきたしていた。特に上を向く動作で腕に痺れが生じることも訴えていた。医療機関への受診歴はなかった。初診時の触診では首の緊張が強く張りが認められた。首の伸展可動域に制限があり、肩を外転させて詰まらせると首の痛みが増強する所見が得られた。
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来院者
男性
40 代
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期間
2025年7月 ~ 2025年6月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
初回施術では、肩上のツボに触れると響く点があり、そこを押しながら首を伸展させると可動域が増加したため、そのまま鍼をした。また、上部頚椎周辺の硬さが強かったため、それを緩める目的で手のツボに鍼をした。施術終了時には痛みに大きな変化はなかったものの、首の動きがかなり改善した。2回目以降は全4回の施術を行い、首肩の硬さに焦点を絞って手のツボや臀部のツボを使用して硬さを取り除いていった。3診目の来院時には、取り憑かれたような首の痛みが消失したとの報告を受けた。4診目では満足のいく結果となり、施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現はなく、施術を終了した。
使用したツボ
まとめ
本症例は、一週間前から続く首肩の痛みと上肢の痺れを主訴として来院し、4回の施術で症状が改善した事例である。初診時には首の伸展制限と肩外転時の痛み増強が認められたが、肩上のツボと手のツボへの施術により首の可動域が改善した。2回目以降は首肩の硬さに焦点を当て、手のツボと臀部のツボを用いて筋緊張を緩和させる方針で施術を継続した。3診目で痛みの大幅な軽減が確認され、4診目で症状が消失し施術を終了した。本症例では、局所の硬さを遠隔部位のツボから緩めるアプローチが有効であり、可動域制限の改善が痛みの軽減につながったと考えられる。









