NEW喉の詰まりと息苦しさに対する施術例
症状
症例者は、喉の奥に粘りつくような詰まり感を訴えて来院した。症状は2か月前から始まり、特に仕事中や夜寝る前に仰向けになると喉が詰まる感覚が強く現れるという。また、日常生活や仕事中に息苦しさを感じることが多く、内科で処方された半夏厚朴湯を服用したが改善が見られなかった。関連症状として、肩や首のこりが強く、特に胸鎖乳突筋下部に強い緊張が触知された。さらに、首を後屈させると前側に違和感があり、斜右下を向いた際に右背部に痛みを伴う状態であった。
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来院者
女性
50 代
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期間
2023年12月 ~ 2024年1月
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頻度
週1回程度
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通院回数
3回
施術と経過
初診時、右手の甲のツボと右足の甲のツボに鍼を行い、その後、右下腿部のツボと頭部のツボに鍼を施した。施術直後から息苦しさが軽減し、胸鎖乳突筋の緊張も緩和が見られた。2回目の施術では、右側の緊張が改善していたものの、左胸鎖乳突筋に新たな緊張が認められたため、左手の甲のツボと足の甲のツボに鍼を施した。また、背中の緊張を緩和する目的で右手首のツボと下腿部のツボにも鍼を行った。3回目の施術後には喉の詰まり感がほぼ消失し、肩や首のこりも改善した。施術期間中、一時的に背中の緊張が見られたが、手首のツボと下腿部のツボへの施術で緩和し、症例者は「楽になった」と述べた。
使用したツボ
まとめ
喉の詰まり感や息苦しさの主訴に対し、主に手の甲や足の甲、下腿部、頭部、手首のツボへの鍼施術を行うことで症状の大幅な改善が見られた。本症例では、胸鎖乳突筋の緊張や首・背中のこりが喉の詰まり感に影響している可能性が示唆された。3回の施術を通じて、症状は解消し、日常生活への支障もなくなった。症状の進行に応じて適切な施術箇所を調整することで、全体の緊張バランスを整える効果があったと考えられる。
担当スタッフ
藤枝 聖也