NEW動作でズキッとする急性の右頚部痛
症状
2日前、重たいカメラを持っての仕事後、1時間程度の移動中に居眠りをした際に発症した急性の頚部痛である。右頚部に著明な痛みがあり、わずかな動作でもズキッとした痛みが生じる状態であった。痛みは動作時に増強し、頚部の可動域が著しく制限されており、仕事が困難な状態であった。医療機関での診断や治療歴はなく、腕のしびれなどの関連症状も認められなかった。初診時の所見では、右の頚部から肩にかけての著明な筋緊張が確認され、動作確認が実施できない程度の可動域制限が認められた。
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来院者
男性
40 代
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期間
2023年10月 ~ 2023年10月
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頻度
週2~3回
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通院回数
2回
施術と経過
初回施術では、まず背部のツボに鍼をして頚部の可動域の改善を図った。可動域が若干改善したことを確認後、手足のツボにも鍼を施術した。初回施術後、頚部の痛みは残存するものの、可動域は改善が認められた。2日後の2回目の来院時には症状がほぼ消失しており、2回の施術で症状は大幅に改善した。施術期間中に症状の再燃や新たな症状の出現は認められなかった。
使用したツボ
まとめ
重たい物を持った後の不適切な姿勢による急性頚部痛に対して、段階的な施術アプローチが効果的であった。まず背部への鍼施術により可動域の改善を図り、その後、手足のツボへの施術を組み合わせることで、早期の症状改善につながった。発症から早期の施術介入と、患者の状態に応じた施術部位の選択が、わずか2回の施術での改善を可能にした要因と考えられる。今後類似の症例に対しても、症状の重症度に応じた段階的なアプローチが有効であると示唆された。