圧迫骨折後に残っている背中の痛み
症状
約2年前。スノーボードの転倒の衝撃で、頚椎7番の棘突起の骨折、胸椎11〜12番を圧迫骨折した。手術はせずに回復し、軽い運動は可能になっていた。ただ、小走りをしたり、姿勢によって胸椎11〜12番付近に痛みや違和感が出現する。スノーボードをするにも万全の状態とは言えない。上体を前後に曲げるのはつらいが、上体を捻ることは無理なくできる。頚椎の自覚症状はなし。
-
来院者
男性
40 代
-
期間
2011年10月
-
頻度
1回通院
-
通院回数
1回
施術と経過
痛みや違和感がある部分は、ちょうど胸椎の11〜12番付近であった。脊柱起立筋の緊張は右が強く、他の部位とくらべて左右差が顕著であった。この左右差を解消するために、膝に鍼をすると、症状が軽くなった。もう一度触診をすると、浅い部分のこわばりが消失したために、深い部分の硬結が触診でよくわかるようになっていた。その部分に直接鍼をして緩めた。すると、腰に違和感が出た(一番気になる部分が解消されたので認識できるようになったと思われる)。ふくらはぎや太ももに裏側に鍼をして緩めると、腰の症状が消失した。背中から腰にかけての痛みと違和感が消失し、可動域も大幅に広くなった。
使用したツボ
まとめ
圧迫骨折をした部分は、ダメージを引きずっていたかもしれないが、傷のほとんどは癒えていたと思われる。問題は、胸椎11〜12番の動きが脚の方から制限を受けていたことであると思われる。どうしてそうなったのか、最初からそうであったのかわからないが、施術によって症状が大幅に改善したことから間違いない。頚椎も骨折したことを聞いた時は、頚椎や上部の胸椎からの影響を疑ったが触診したところ問題がなかった。目を脚に移すと問題点が見つかった。問診は重要であるが、問診と共に触診の重要性を改めて知ることになった症例である。