乳がん後のホルモン薬服用の副作用による指のこわばり
症状
3年前に乳がんを患い手術し、抗がん剤が終わった2年前からはホルモン剤を服用している。それ以降、指のこわばりが出始めた。主治医に尋ねたら「ホルモン剤の副作用だから仕方がない」と言われ、鎮痛薬を処方された。
仕事はパソコン作業が多くキーボードを打ちっぱなしの状態。昼休みは、指が熱っぽいので冷やしている。朝は指がムチムチ、ガチガチな感じがする。指を動かすと、メキメキ、パキパキいうような感じがする。指の動かし始めがとくにつらくこわばる。鎮痛薬を服用したが、効果を感じられなかった。
指を見ると、がん患者だったことを思い出し、つらい気持ちになる。
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来院者
女性
40 代
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期間
2017年3月 ~ 2017年4月
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頻度
週1回程度
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通院回数
4回
施術と経過
指の動きと腕の使い過ぎに関連がある脊柱を確認すると複数の箇所に硬結がみられた。
すべてに刺鍼すると刺激量が多く患者様のお身体に負担になるので、顕著な部分に絞って施術ポイントとした。
1回目 背中に鍼をしながら指を動かしてもらうと指の動かしやすさが出てきた。
2回目 来院時、右の親指はまだ気になるものの、他の指はただの疲労程度の感覚になっていた。
3回目 来院時、指はだいぶ気にならなくなった。クレ556をさしたようないい感じ。今までは、指を見るとがんを思い出してつらい気持ちになってしまったが、それもなくなった。
4回目 指が気にならなくなったとのことで、念のため状態を安定させる施術と、その日に気になっていた足の疲労の施術を行い、終了とした。
1年2か月後、ホルモン剤をジェネリックに変更したところ、再び指の違和感が出現。前回と同様の施術を2回行い、症状は改善した。
使用したツボ
まとめ
乳がん後のホルモン剤服用の副作用として、関節のこわばりや関節の痛みなどの症状が出現することがある。ホルモン剤に含まれる成分が、関節の動きを助けるエストロゲンの血中濃度を下げることが原因と言われている。
この患者様のケースは、お仕事で指の使い過ぎという素地もあり発症したと考えられる。
しかし、指に関係のある脊柱の動きを整えることによって改善することがわかった例である。
担当スタッフ
那須あゆ美