家族が心配で不安神経症に
症状
友人の急死と家族の不和をきっかけに、半年前から心身の不調が出現している。主な症状として、胃の不調、全身のだるさ、肩こり、腰痛があり、常時症状が持続している状態である。症状により日常生活全般に対して意欲が低下し、すべてが億劫な状態となっている。また、食欲不振も伴っており、病院では漢方薬による治療を受けている。
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来院者
女性
60 代
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期間
2025年7月 ~ 2025年9月
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頻度
月3回程度
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通院回数
7回
施術と経過
初診時の所見では、全身的な筋緊張の亢進が認められ、特に頚部、肩部、背部に顕著な硬さがみられた。また、姿勢不良も確認された。施術は足のツボ、背部のツボ、臀部のツボを中心に行った。初回施術後、一時的なだるさは出現したものの、全体的な症状の軽減が得られた。その後、継続的な施術を行い、症例者の状態に応じて動きの制限がある部位を中心に施術を進めた。5回の施術を重ねる中で、徐々に症状は改善傾向を示した。
使用したツボ
まとめ
メンタルヘルスの問題を背景とした心身症状に対する鍼灸施術の一例である。全身的な筋緊張の緩和を目的とした施術により、身体症状の改善が得られた。特筆すべき点として、施術者が伴走者としての姿勢を明確に示し続けることが、症例者の心理面のサポートとして重要な役割を果たした。このことから、メンタルヘルスの問題を抱える症例者に対しては、技術的なアプローチに加えて、継続的な心理的サポートの重要性が示唆された。






