NEW1ヶ月続く咳と喉の痛みが全身アプローチで改善
症状

風邪の罹患後、1ヶ月にわたり咳と喉の痛みが持続している状態である。喉の中心部に痛みがあり、特に嚥下時に増強する。咳は終日続き、症状の変動は見られない。咳が続くとこめかみに頭痛様の痛みを伴うこともある。病院で処方された咳止め薬による改善は乏しく、仕事への集中力低下やストレスを感じる状態が続いていた。初診時の所見では、頚部の緊張、呼吸の浅さ、背部の緊張が確認された。
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来院者
女性
30 代
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期間
2025年4月 ~ 2025年6月
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頻度
週1回程度
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通院回数
8回
施術と経過
初回施術では、頚部の緊張に対して手のツボ、背部の緊張に対して骨盤のツボを用いて施術を行った。施術後、呼吸が楽になったとの実感が得られた。2回目以降は、頚椎の温度と硬さを確認しながら、継続して頚部と背部へのアプローチを行った。施術を重ねるごとに頚部と背部の緊張が緩和され、それに伴い喉の痛みと咳症状も改善していった。計8回の施術で症状は大きく改善し、経過中に症状の再燃は見られなかった。
使用したツボ
まとめ
風邪罹患後の遷延性の咳嗽と咽頭痛に対して、頚部と背部への施術を中心としたアプローチを行った。症状の背景には呼吸の浅さや筋緊張の関与が考えられ、これらの改善が症状の緩和につながったと考えられる。咳止め薬による対症療法では改善が得られなかった症状が、全身的なアプローチにより改善に至った点で、本症例は示唆に富むものである。