NEW親指を動かす際の痛みとこわばりへの鍼施術
症状
右の親指のこわばりと痛みが主訴であった。5年以上前から、裁縫や家事をした後、物を持つ際に痛みが出るようになった。特に親指を内側に動かす動作や開く動作の際に、母指球から親指の背面にかけて痛みを感じるとの訴えがあった。痛みが出た日は終日痛みが続くことが多く、日常生活や家事、仕事に支障をきたしていた。過去に接骨院で施術を受けたが、効果は見られなかった。また、首や肩のコリを併発しているとの報告があった。
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来院者
60 代
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期間
2024年11月 ~ 2024年11月
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頻度
週2~3回
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通院回数
2回
施術と経過
初診時の触診では、親指の動作時に母指球と手関節の屈曲制限が認められた。これに対し、背中のツボ、臀部のツボ、膝裏のツボに鍼施術を行った。初回施術後、親指を内側に動かした際の痛みが軽減し、開く動作に伴う違和感が残ったが痛みは軽減した。2回目の施術では、開く動作に関連する背中のツボを中心に施術を行った。その結果、痛みは完全に消失し、症状の大幅な改善が見られた。施術は計2回で終了したが、施術期間中に開く際の痛みが再燃したため、手首の可動域が改善するポイントを探り追加の対応を行い、再び症状の消失を確認した。
使用したツボ
まとめ
右親指の動作に伴う痛みとこわばりに対し、背中や臀部、膝裏のツボへの鍼施術が有効であった。初回施術で大幅な症状の改善が見られ、2回目の施術後には完全に痛みが消失した。再燃時には関連部位の可動域を確認し、適切な対応を取ることで症状を抑えることができた。本症例は、指の痛みが肩や背中といった上肢全体の機能と密接に関連している可能性を示唆している。継続的なフォローアップや関連する姿勢の改善が今後の予防に有用と考えられる。
担当スタッフ
藤枝 聖也