NEW術後3ヶ月の歩行時足首痛、筋バランス調整による改善
症状
左足首の痛みを主訴として来院した。3ヶ月前にビニール袋を踏んで転倒し、足首が過伸展となり救急搬送された症例である。発症から4日後に手術を受け、3ヶ月の入院期間を経て、その後もリハビリを継続していた。来院時は歩行動作時、特に蹴り出しの際に外果直下と足首前面に疼痛が出現し、負荷をかけると常に痛みを感じる状態であった。退院後のリハビリにも関わらず、歩行時痛が残存していた。
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来院者
男性
60 代
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期間
2020年11月 ~ 2020年12月
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頻度
週2~3回
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通院回数
6回
施術と経過
初診時、歩行時の左足首痛を確認した。腓骨頭付近への透熱灸、大腿後面の緊張点への鍼、前脛骨筋上のツボへの鍼を施術した。また、腰のツボも併用した。初回施術後から歩行時の痛みが軽減し、数日後の2回目以降も同様の施術方針で継続した。施術を重ねるごとに症状は改善傾向を示し、計6回の施術で歩行に支障がない程度まで回復したため、施術を終了した。
使用したツボ
まとめ
足関節手術後の疼痛に対して、腓骨頭周囲、大腿後面、前脛骨筋、腰部など、全身的な筋バランスの調整を優先的に行うアプローチを選択した。その結果、筋バランスの改善により患部への直接的な施術を必要とせずに、6回の施術で歩行時痛が大幅に改善した。本症例は、術後の痛みに対して、筋バランスを整えることを優先することで効果的な改善が得られる可能性を示唆している。また、手術後のリハビリに併用することで、より効果的な回復が期待できることを示している。